新社会人が生命保険に入っていけない理由
こんばんは。
最近街中でリクルートスーツを着た学生を目にする機会が多くなってきました。
今年は昨年と同様、大手の選考開始は6月スタートになるようですね。
4月から晴れて僕にも可愛い後輩ができましたが、新社会人の多くがこれから保険の勧誘を受けることになります。
僕も会社内で保険会社の営業女性と仲良くなり、何度かお話を聞いたことがあります。
しかし、生命保険にはひとつも加入しませんでした。
これは様々なリスクを勘案し塾考した上での結論です。
今日は新入社員時代の僕が、新社会人が生命保険に入る必要は全くないと考えた理由を説明します。
会社を休んでも収入はゼロにならないから
保険の営業担当は「もしも働くことができなくなったら」「収入がゼロになったら」と様々な言葉を投げかけて不安を煽ってきます。
しかしほとんどの会社では、病気で会社を休んでも収入がゼロになるということはありません。
我々は毎月社会保険料を支払っています。
給与明細を見れば源泉徴収で引かれているあれです。
その中には健康保険、年金保険、介護保険、労災保険が含まれています。(労災保険は全額会社負担なので明細には含まれません)
それぞれの特徴について知りたい人はGoogle先生に聞いてみてください。
特筆すべきは健康保険です。
健康保険によって仮に病気や怪我で長期間会社を休んでも、給料の3分の2が最長1年半支払われます。
要するにサラリーマンになった時点であなたは会社からかなり守られているということです。
病気や怪我で長期間休んでも収入はゼロにならない。
新社会人の皆様は覚えておきましょう。実は僕の周りでもこの点を知らない人が多いです。
高額療養費制度
皆さんは高額療養費制度というものをご存知でしょうか。
前述したようにサラリーマンの方であれば全ての方が会社で健康保険に加入しています。
健康保険には高額療養費制度というものがあります。
これは1ヶ月で支払う医療費が一定の上限額を超える分に関しては、その超えた分が支給されるというものです。
上限額は収入によって変動するので各々確認する必要があります。
しかし新入社員の年収は370万円以下という人がほとんどだと思うので、その場合は上限金額は57,600円になります。
自己負担額は最大でも月々57,600円と考えれば、個人的に保険に加入してもしもの場合に備える必要性を感じるでしょうか。
しかし高額療養費制度にも一部先進医療には適用されない等の制限があるので、この制度を利用する際には注意が必要です。
貯蓄型保険には絶対に入るな
保険の必要性を感じていないことを素直に伝えても、貯蓄性の高い保険を勧められることもあります。
保険でもしもの場合に備えながら、何事もなかった場合には支払った保険料が返ってくるので運用にも向いている。
資産運用に興味を持ち始める新社会人にとっては一見魅力的な商品に映ります。
しかしこの貯蓄型保険こそ新社会人が最も入ってはいけない保険だと僕は思います。
まず第一にこの商品は貯蓄性を高めるために、保証内容が薄い割に割高な保険料に設定されています。
保証内容を充実させようとするとあっという間に保険料は跳ね上がります。
物によっては掛け捨てで同じ保証内容を求めた場合の10倍近くの保険料になることもあります。
そして数年後、高い保険料が家計を圧迫し他のプランに切り替えたいと思ったとします。しかし途中で解約すると返戻率は大幅に下がります。
途中で解約する方のほとんどの場合が支払った保険料を下回る返戻金しか受け取ることができません。
泣く泣く高い保険料を支払い続けるか、支払った保険料を下回る返戻金を受け取り他のプランに切り替えるかという選択を迫られることになるのです。
独身で子なし、自由に使えるお金が多い新社会人という現段階で、今後数十年間の家計状況を見極めるのは正直言って不可能です。
この時点で将来支払い続ける金額を設定するというのは賢い選択とは言えませんね。
そして忘れてはいけないのが保険会社も倒産する可能性があるということです。
このご時世経営が傾く心配が全くない会社など存在しません。
東芝も東電も10年前では日本経済を引っ張る大企業でしたが、現在非常に厳しい状況に置かれています。
保険会社の経営が傾き、将来保険金を受け取れない可能性も0ではありません。
そのため資産を一社のみに集中させ運用させるというのは非常に危険だと思います。
以上、新社会人が保険に入ってはいけない理由を説明してきました。
そもそも大前提として、保険というのはもしもの場合に貯蓄だけで支払いきれない場合に備えるものだと思っています。
貯蓄を切り崩して支払うだけの能力があればなんの問題もないわけです。
そして世界的に見てもとりわけ日本人は保険に入りすぎています。
もしもの場合というのがどれだけ起こりうるでしょうか。
その少ないリスクを心配するより、保険料の支払いに精一杯で資産を形成できないことの方がよっぽどリスクのように感じます。
今すべきはリスクに怯え、入る保険を検討することよりも自らの支払い能力を高めること、つまり収入をあげ資産を増やすことではないでしょうか。