【書評】「ちょっと今から仕事やめてくる」を読んだ時期がベストだった話
インパクトあるタイトルで、以前から書店で見かけて気になっていた本書。
GWに久しぶりに実家に帰った際、姉が持っていたので借りてきました。
帯でも宣伝してる通り、今年の初夏に映画の公開も決定していることで何かと話題になっていました。
主演は福士蒼汰君だそうです。
以下引用。
ブラック企業にこき使われて心身ともに衰弱した隆は、無意識に線路に飛び込もうとしたところを「ヤマモト」と名乗る男に助けられた。同級生を自称する彼に心を開き、何かと助けてもらう隆だが、本物の同級生は海外滞在中ということがわかる。なぜ赤の他人をここまで?気になった隆は彼の名前で個人情報をネット検索するが、出てきたのは三年前に激務で自殺した男のニュースだった。スカッとできて最後は泣ける、第21回電撃小説大賞受賞作。
文書体も非常に読みやすく、3時間もあれば読み終えられる分量だと思います。
序盤はライトノベル独特の軽いタッチにやや退屈さを感じながら読んでいたのですが、最後には心がほっこりするような展開となっていました。
母親の愛情は最強
言ってしまえば母親の子供に対する無償の愛情を再認識させられる内容なのですが、読んだ時期がちょうど良かったかと思います。
実はこの本は先週の日曜以前に読み終わっていたのですが、先週の日曜に何があったのかといえば、、、
そう、母の日です。
当日は必ず電話をしてしっかりと感謝を伝えようと思いました。
本来であれば花を送ったり、何か美味しいものを一緒に食べに行けたりできればベストなのですが、1週間前に実家に帰ったばかりなので今回は電話で感謝の気持ちを伝えました。
「おぎゃーって生まれた時から今日まで、自分一人で大きくなったとでも思ってんの?」
ヤマモトの一言が心にしみます。
つい最近親戚に赤ちゃんが生まれたことで、子供を育てることがすごい大変なことなんだと改めて感じさせられたばかりでした。
僕も反抗期は親と一切口を聞かなくなり、散々迷惑をかけたと思います。
決して裕福ではなかったのに大学まで好きなサッカーをやらせてもらって、サポートしてもらいました。
僕は自分の母のような女性と結婚がしたいと思っています。
これは決してマザコンとかいうことではなく、自分の母親を一人の人間としてとても尊敬しているからです。
これからもっと親孝行していかなきゃなと思いました。
追い詰められる前に読みたい一冊
僕の会社は飲み会の回数が異常に多いことを除けば、比較的働きやすい環境にあると思います。
なので正直、ブラック企業に勤め今にも会社を辞めたいと言っている人の気持ちは理解することはできません。
全社的に残業は悪であるという考えがあるので、できる限り早く退社するように努めています。なので深夜まで残業することも少なく、精神的に追い詰められることもありません。
もちろん僕も営業担当なので、数字に対して上司からシビアに詰められることはあります。
しかし営業という職種上これはどこの会社でも同じだと思っているので、そこまで苦に感じたこともありません。
それでも数字が出せなくて行き詰まった時、上司や会社の人間関係がうまくいかない時、仕事を投げ出したくなった時、限界を迎える前にこの本を思い出せたらいいなと思います。
状況が変われば、きっと今回抱いた感想とは全く異なると思います。
まとめ
政府が働き方改革を進めブラック企業の廃絶が進む社会的な風潮の中で、いい流れに乗った作品になっていると思いました。
特に今社会人になりたててで仕事が辛いと感じている新社会人に読んでほしいです。
もしかしたらあなたの会社も普通ではないかもしれない。
作品中で出てくるような心無い言葉を浴びせられて悩んでいる人もいるかもしれない。
選択肢は今の会社だけではない。さらに言えば仕事だけが人生じゃない。
自分の大切な人のために自分らしく生きる。
そんな風に思わせてくれる一冊でした。